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医療と介護はペアなのである

長寿医療制度は、75歳以上の年長者に医療保険の1割を負担してもらうものである。
負担額は、都道府県によって異なるが、以前の市町村単位で管理していた老人医療保険時代の格差=5倍に比べれば、2倍程度に是正されており、全国的に見れば平等性は確保された。特に広域連合制により、同一県内における負担額は同額のため、これまでのように、隣接市町村で、「どこどこの村(市・町)の老人医療保険は安い」などと言う格差はない。しかし、反面、市町村単位で、独自に予算を確保し、高齢者を保護(優遇)してきたような政策を取ることはできなくなった。
このため、今回大きな問題となった、「長寿医療制度に切替わった途端に、負担額が大きくなった」と言うことを生じてしまった。
厚生労働省(厚労省)は、この市町村単位で独自で行っていた老人保護政策を十分に把握することなく、「長寿医療制度に切替わった方が、これまでの老人保険よりも、単純に(=市町村が老人を優遇していた負担を全く考慮しなければ)、負担金が安くなる」などとうそぶいてしまったために、あのような失態をさらしたわけである。

しかし、75歳以上の増大する医療費を、被保険者が支払う国民年金だけで負担することは不可能であり〜国保被保険者や65歳以上の保険料負担額が莫大になってしまうし、かと言って、ここに大量の税金を注ぎ込むのは、健康保険との不公平感が増すために不可能である。

この意味では、75歳以上の高齢者のために、医療予算を確保するための長寿医療制度は間違いではないのである。

そもそも、病気は、医療保険により、病院内で治療されるべきなのであり、治癒・回復後のリハビリは、介護保険により、自宅や介護施設で行われるべきなのである。高齢者の場合、一度病気になった時に、その治癒までに時間がかかることは確かである。このため、どこまでを医療でカバーし、どこからを介護でカバーするべきなのか、線引きをすることは難しい。だからと言って、完全に治癒するまで、病院において介護し続けることは、従来の病院の機能(=救急医療、人命救助など)を低下させることは間違いない。

厚労省のやり方や言い方は良くないが、「長期治療時の報酬を下げる」とか、「75歳以上の年配者が病院に行く回数を減らしてくれれば良い」とかは、病院が本来あるべき姿に戻したいと言う気持ちの現れである。しかし、高齢者の病気予防や、あるいは、(避けられない)病気後の介護の姿(=政策)を見せずに、老人医療のみを抑制しようとするのは、明らかに間違いである。

官僚、政府がやるべき政策。

・長寿医療制度における低取得者層の救済。
現在、負担額の最低ラインを、取得の3割から1割に改善するように与党は進めているようだが、これは無料にするべきである。逆に、高額取得者層からもっと吸取り、弱者を救済するべきなのである。以前も、このブログで述べたが、「相続税率をもっと高くし、高齢者が残した財産は、彼らの子孫のみに使われるのではなく、残された世代の皆が幸せに・有効に使うべき」なのである。

・介護福祉の国営化。
医療と介護は一体である。介護保険を地域に押し付け、さらに、民営化により効率を図ることは、コムスン=グッドウィルに見られたように、明らかに間違いである。このまま低予算・低賃金で介護福祉を運営させることは、逆に病院側の負担が大きくなり、今の老人医療改革の下では、結果として医療制度の信頼の失墜と医療制度そのものも崩壊させる可能性が高い。福祉も国営化し、もっと予算をつぎ込むこと。特に、介護施設は病院に近接させ、医療と介護福祉の連携を高めることが必要である。
医療と介護福祉はペアであり、ここには、ビジネス(=収益性)を追求してはいけないのである。(〜ある程度の採算性は必要だが...)

長寿医療制度の廃止を掲げる野党と、長寿医療制度の見直しを図る与党〜もう一度、医療と介護福祉を含めた全体像から論じていただき、最悪でも、平成21年度から、高齢者が幸せになる政策を厚労省と一緒になって用意して欲しいものである。

税金は何のためにあるのか?

こう言う問題を見ると、「またか」と思いますが、もともとは「私達が選んだ政治家達が悪かった」と言う反省もありますね。
<国交省>道路財源から家賃1億3千万円 (4月25日22時34分配信 毎日新聞)
->http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080425-00000155-mai-pol

道路特定財源とは、1954年、道路建設を加速させるために、「道路利用者がほとんどを負担している揮発油税を、道路整備計画の実施に要する経費の財源にあて、自動車交通の安全保持に寄与したい」を前提に、さらに、「このような特殊性を持つ財源は、期限を切ることが重要」と言うことで、5ヵ年計画の暫定的財源とした始まったものである。それが、期限をひたすら延長することにより現在まで続き、建設業界、国交省、道路族議員の利権の温床となった。
さらに、この財源は、1974年の田中角栄内閣時に、1973年の第1次オイルショックを受けて、石油の消費を抑制するために2年間の期限付きで暫定税率を上乗せして膨らみ、これも、期限の延長を続け、今年(2008年3月31日)まで(一時的な期限切れかも知れないが)、34年間も続いたわけである。
確かに、道路建設が高度成長を支えたことは事実であるが、道路網が整備されてくると、このあまりにも巨額な特定財源は、使用用途が「道路整備のみ」とされていたため硬直化し、いつのまにか、「日本の発展のための道路整備」から「道路を作らなければならない」に、使用用途が変わっていった。
このため、道路族議員の誘導により、採算が全く取れないような無駄な道路を作ったり、社団法人などをどんどん立ち上げて〜お金のばらまき、天下り先の確保、さらに、現役世代にも「道路整備に関わる人の福利厚生」と言う名目で、カラオケ、マッサージ機器などの購入、考えられないタクシー代、住宅家賃の補助を行ってきた。これは、全て、「日本の発展のための道路整備」と言う目的で徴収された、われわれ国民の税金であるにも関わらずである。

その額は、実に5.4兆円(2008年度 本則分で2.8兆円/暫定分で2.6兆円)である。
許せないのは、この道路特定財源を持ちながら、「将来における利益の享受を目的に借金できる(=将来に借金を回す)」建設公債を発行し続けることであろう。

いったい税金とは何であるのか?

税金を公共事業に投資することにより、どんどん縮小している建設産業従事者を養うことは可能であろう。しかし、毎日毎日、道路の穴掘りを繰り返すわけにもいかないのではないか。(もっと、質的に高いレベルに行かないと建設業界は衰退するだけではないのか?)
さらに、箱物投資、あるいは、下水道整備投資などは、地方財政の赤字額をも増加させ、単に、将来の借金を増やしているだけではないか。
既に、「公共事業に財源を投資することにより経済活性化を図る」などと言う経済学が成り立たなくなっていることに早く気づくべきである。

税金の使い道には大きく分けて2つある。

●社会のインフラ整備〜日本丸の舵取り、景気対策を含む
●医療・教育・福祉の公平性〜本来の政府の役目

政府は、社会のインフラ整備に関しては、既に大きな役目を果たした。これからは、小さな政府=地方、あるいは、民間に任せ、採算性の重視やその地域、時代に対応した物を作らせるように、権限と財源を移譲すべきである。

少子高齢化時代、これからは、医療・教育・福祉(子育て含む)において、
限りある財源をどう生かすのか、
高齢者を中心とした社会作りをどうするのか(高齢者の経済成長寄与度を高めることが重要)、
教育において日本をどのようにしていきたいのか(今の教育システムが破綻しているのは明らか)、
若年層の就労率を上げるにはどうするのか、
など、これらの財源の比重を高めることが必要なのである。

長寿医療保険制度とは何か

4月1日から始まり、既に、悪法、廃止せよと言われている後期高齢者(->長寿)医療保険制度。

3月までも、75歳以上の高齢者は「老人保険制度」として扱われていましたが、特に、今回実施されたような単独の医療制度にはなっておらず、国民健康保険や健康保険、共済組合などの75歳未満が加入しなければならない医療保険制度の中に組み込まれていました。

このため、例えば、

●幸運にも〜まだ現役で企業に正社員や役員として働いている場合は->職場の健康保険の被保険者(〜このパターンは本当に極稀!!)
●サラリーマンである「子供の扶養家族になっている場合」は->「子供の職場の健康保険の被扶養者」(〜このパターンが多いと思うのだが)
(->恐らく、扶養家族となっていて、まさか自分が支払う羽目になるとは思っていない人が多かったのではないか? この人達は、引かれる保険料の額を見て愕然とするが、それでもまだ、現役で稼ぐ世代の援助がもらえるから、まだ幸せであろう。)
●それ以外の場合は、個人で「国民健康保険の被保険者」になる(〜次に多いパターン??)
(->この場合は、悲惨である。これまであった、市町村からの老人保健補助が、いきなりなくなるわけである。)
と言うように、それぞれの制度に加入する必要し、そして、それぞれの健康保険の基準で計算された保険料を負担(★扶養家族の場合は、当然->自己負担なし★)してきました。
そして、この老人保健の対象者になった場合には、別途「老人医療受給者証」が交付されてきました。

実際に、治療を受けるときには、加入している医療保険の保険証(例えば、国民健康保険の保険証)と、この交付された「老人医療受給者証」を医療機関の窓口に提示することにより、「窓口での支払いが1割(現役並みの所得がある場合は3割)負担」になり、さらに、「入院時には自己負担の上限まで払えばいい」などの恩恵が受けられるという仕組みでした。(〜現在の、長寿医療保険制度でも、この保障内容は全く変わっていない。)
その上、各市町村単位で、高齢化社会に対する対策として、独自の老人医療に対しての予算が組まれることにより、老人保険の保険料は、国が考えているレベルよりも、負担額は少なく抑えられてきました。

しかし、長寿医療保険では、保険料は高齢者一人ひとりの所得などから計算されます。そのため、75歳以上の高齢者は、「必ず、保険料を支払う」ことになります。
さらに、支払う保険料は、全員が負担する「均等割」分と、所得に応じて負担する「所得割」分の合計であり、特に、「均等割」は、例外なく「全ての人に対するもの」であるため、「どんなに収入が少ない人でも負担」しなければなりません。最も優遇されるケースでも、1か月に約900円の負担となり、全額免除されるケースはありません。

実際、一番弱者と思われる基礎年金のみ〜約8万円/月(〜これで満額)しかもらっていない場合を考えてみます。
この8万円から、市町村別に決められた介護保険料:平均=約3200円を支払い(H17年度:北海道の鶴居村=71300円/年(最高)、山梨県の秋山村=21400円/年(最低))、平均=38327円/年)、さらに、長寿医療保険制度により、確実に、最低ラインの900円/月(〜恐らく、これまで市町村で彼らの最低生活ラインを守るために、この保険料は、市町村で補助/負担してきた思われる)が、彼らの年金から、が徴収されることになります。
たかが、900円の増加と思うなかれ、倹約している高齢者の方々にとって、この900円は、2〜3日分の食費に値する金額となっています。
つまり、長寿医療保険制度により、年間ベースで、約1ヶ月の食費代を、弱者から奪い取るわけですね。

各市町村に救済策はありません。この長寿医療保険制度は、県単位の広域連合により運営され、県内の全ての市町村が平等になるように監視しますから、一部地域の高齢者のみを救済することは不可能となります。

自分もそうですが、現在、30〜50代で、会社勤務で、定年まで勤務可能で、かつ、25年以上の厚生年金を支払える人は、ご両親の長寿医療保険も負担することは可能だし、あるいは、ご両親も、しっかりライフプランをもって、蓄えているかも知れません。〜このため、この75歳以上の高齢者にかかる医療費の10%を、実際に医療を受ける75歳以上の人達に負担してもらう長寿医療保険制度が、なんで、こんなに問題になるんだと思ってしまいます。

しかし、現在、75歳を超える高齢者の中には、戦争で、ご主人やご子息を失った人も多いと思います。また、戦後の厳しい時代を耐え、また日本の復興のために、一生懸命、働いてきた時代の人達です。
やはり、年金生活をしている高齢者からクレームが出る制度ではだめなんです。

まずは、厚生労働省の役人達が、財務省や医師会の顔色を窺いながら机上の空論を練っているのではなく、
●高齢者介護の現場に立って
(〜それを24時間、365日、彼らが天命を全うするまで続けると言うことはどれだけ大変か->ガイドライン:「介護士1人で3人を介護する」と言うことが実際に不可能で、間違っていることがわかるはず(〜自分も母が倒れ、数週間ですが、死ぬまで病院で看護しました。この時は、仕事・家庭、全てを捨てました。)
●高齢者医療の最前線に位置し
->県の広域連合の事務所に行って、実際に、高齢者からの叫びを聞きなさい。
->自分が、同じ年金支給額で、生活できるかどうかやってみなさい。
痛みを感じてください。
そして、日本の少子高齢化社会における、高齢者の在り方、高齢者介護、高齢者医療に関して、「この日本と言う国に生まれて本当に良かった。」と最後に言えるような、しっかりとした短・中・長期計画を示し、その財源の確保をしっかりと行うことが必要なのである。
〜なんのために、キャリアになったんだよ。日本の将来を考え、日本を良くしたいと思っているんだろ。お願いだから、手抜き、不祥事ばかりでなく、光を見せてくれ。

福田首相の失言

福田首相の言わんとしていることはわかる。

今年度(平成20年度)の予算を立てた時に、これだけ経済の悪化、ドル安・円高が進むとは予想していなかった。
●「だから、そんな景気対策予算は計上していない。〜つまり、政府としては景気対策に使うお金がありません。(一度決定した予算は、原則、流用禁止で、他の項目に使用することはできません。)」
●「唯一、景気対策として使うことができる公共事業にまわす道路特定財源の暫定是率も4月に廃止し、歳入としても入ってこないので、どうしようもない。」
●「日銀に金融政策の舵取りを早急に思案してもらおうと思ったら、4/11まで日銀総裁が決まらなかったので、現在、金融政策は無策です。」
●「原油高、材料高騰による物価上昇は、投機筋による正当な流れで、政府としては何もできない。」

しかしだ、
今日(4/12)の桜見る会での、
「物価が上がるとかいったようなことがあるが、しょうがない事はしょうがないので、耐えて、工夫して切り抜けるのが大事なんです。」
は、あまりにも国民感情を逆なでする失言だった。

確かに、今、福田首相(政府)ができることは限られている。
けれども、福田首相は、「道路特定財源の一般財源化(ほとんど必要な道路建設・整備で予算計上され、わずかな金額が一般財源に回るのみだが〜国土交通省でのクローズした予算決めではなく、財務省でゼロベースから積立てるようにしたのは大きな進展ではある)」で満足して、花見を味わっていてはいけないのである。

福田首相が今すぐにやるべきこと。
●早急に、来年度(平成21年度)予算に、大型景気対策、環境関連を盛り込むように財務省に指示。
->財源確保のため、公益法人(社団・財団法人)を、平成20年度中に徹底的にぶっ潰す。
●予算の国会討議の期間を十分に取るために、11月には財務省から最終予算(財務省原案は9月)を提出させように法律改正。
->2月から、たった2ヶ月で次年度の予算審議を国会でやっているのがおかしい。もっと、国会の義務を果たせ。

------
4月12日11時14分配信 読売新聞より
首相「こんな桜ばかりの日本にしたい」新宿御苑で桜見る会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000016-yom-pol

日銀総裁〜結局、白川さんでしたね

3月20日以降、日銀副総裁、兼、総裁代行の白川さんが、結局、総裁に昇格することになりそうですね。
「白川さんが日銀総裁に昇格し、早く、金融政策の決定権を持たなければならない」〜と言う人事のお話は、前にも意見しましたが、この2週間、予算の関係で非常に無駄にしましたね。始めから、白川さんを総裁に昇格させておけば、日本の金融政策において、白川さんの独自カラーが、まだ、出せたと思いますが、来週のG7まで、1週間ありませんから、とてもじゃないけれど無理ですね。
これから5年間、白川さんが、日銀総裁として、日本経済のために、金融政策をどのように引っ張っていくのか楽しみである。

●ドル安・円高を、どのように誘導するのか?
日本国内において、賃金の上昇のないまま、輸入原材料の値上がりにより、インフレ傾向が発生している現在、原材料の安値での安定確保、国内生産性の維持と消費者物価の安定のためにも、ある程度の円高ベースに誘導するしかない。
とにかく、日本のエンジン(消費と生産力)を止めないことである。これ以上の、国内に誰も勝者のいないインフレには歯止めをかけるべきである。確かに「日本は輸出産業だから円高はだめだ」との声もあるかも知れないが、多くの日本企業は既に1ドル79円(1995年)を経験しており、円高対策が可能なこと、また、この円高が、さらに、多くの日本独自の技術と市場競争力のある製品を生み出すものと信じる。

●米国のサブプライムローンに始まった世界金融業界の不良債券問題(=信用度低下)を、日本の金融界は世界と協力して、どのように処理するのか?
いまこそ、サブプライムローンの被害もそれほど大きくなく、バブル崩壊時に公的資金(=国民の税金)をつぎ込み、低金利、手数料で庶民から暴利をむさぼっている日本の銀行にがんばってもらうべきであろう。別に、不良債権を支えろと言っているのではない、間接的で良いから、徹底的に米国の担保不動産(競売住宅)を安値で購入し、運用しろと言っているのである。米国の金融市場には、これらの資産を短期的に支えるだけの体力がない。だからこそ、日本の金融業界が支え、かつ、利益を出し、日本の国民に還元すれば良いのである。日本国民から、ちまちまお金をまき上げるのでなく、しっかりとお金を稼いでくれ。

●経済発展と環境問題(地球温暖化対策)をどうバランスを取るか?
米国に徹底的なCO2排出削減を求めれば良いのである。1番CO2を出している国に努力させずに、他の先進国、発展途上国だけでやろうとするから問題なのである。中国も名指しこそはしていないが、「先進国がもっと削減すべきである。」と言っているではないか。
日本は、「セクター別アプローチ」などかっこいいこと言っていないで(確かに、産業・エネルギー分野毎に削減が進めば、効率の悪い石炭エネルギー源を使っている中国などを技術支援すればCO2排出権利を得ることができるが)、民間主導で、政府がバックアップして、環境整備を行えばよいのである。(結局、政府は、一番お金が使いたい時に、お金がないのであるが。)
サブプライムローン問題は非常に好材料なのである。各国が、米国に金融支援する(=もちろん、ドルを支えることも含む)代わりに、CO2削減量を数値約束させるのである。既に、東芝による原子力発電所の受注などもあり、このような代替エネルギー施設建設支援、家電における省エネ技術協力などなど、日本が米国の産業、経済を支援する方法はいくらでもある。

後は、白川さんが、4月7日に日銀総裁に昇格、4月9日に「日銀の金融政策決定会合」での政策発表、4月11日のG7で、世界の曲者達とどのようなやり取りをするかである。強い日本を期待したい。

ガソリン〜最悪のシナリオ

暫定税率が3月末で期限切れとなるのを受け、出光興産、ジャパンエナジー、コスモ石油の石油元売り3社は、4月1日以降に出荷するガソリンの卸値を1リットル当たり22〜23円値下げする方針を明らかにした。
しかし、この時点で、既に、2〜3円、卸価格が引上げられていることに注意すべき!!
<ガソリン>卸値22〜23円値下げ…出光など3社方針

全国のガソリンスタンドで、3月仕入れの在庫が残っていても、4月1日から大幅な値下げに踏み切る所が増えそうだ。
一見、ガソリンスタンドが損をしそうだが、4月中に在庫確保した安いガソリンの5月以降における高値販売と、恐らく、元売各社の4月中の再値上げによるスタンド販売価格への転嫁による値上げ分で利益が確保できるはずである。
さらに、4月に大きな在庫を確保したガソリンスタンドは、5月になっても割安価格をうたい、ユーザーの囲い込みを図るようなしたたかさを見せるだろう。
「客離れ怖い」苦渋のスタンド、値下げ「1日から」続々

4月1日から、3月のガソリン価格よりも20〜25円安い価格をうたった赤字覚悟のガソリンスタンドが乱立〜国民(ドライバー)は大歓迎。
ガソリンスタンドは、4月下旬まで、常に貯蔵タンクを満杯にキープし、5月1日以降の値上げにより、3月在庫分の損失の穴埋めを図るもくろみ。
タンクローリーが、朝から一般道にあふれ、渋滞の原因となり、また、タンクローリーに絡んだ事故が発生する可能性もあり。
さらには、一般ユーザーも、安いガソリンを在庫しようと、消防法を無視してポリタンクで保管。〜5月には、保管場所の温度上昇や、給油時の揮発などが原因で、火災が相次ぐ。
追い討ちをかけるように、4月中旬に、石油元売会社が、原油高騰の影響を理由に、さらに、3円程度の価格引上げ(=完全なる便乗値上げ〜公取委(公正取引委員会)は今回は目をつぶる)を発表し、ガソリンスタンドのガソリン価格も3円程度引上げ。
〜それでも、この値上げは、これまでよりも、「まだ安い」との理由で国民(ドライバー)には受け入れられるだろう。
4月下旬、衆議院での自民党の2/3での可決により暫定税率が復活し、5月1日以降、ガソリン価格もガソリンスタンドで25円値上げが決定される。
ほとんどのドライバーは、4月中に安いガソリンを入れ、一時的に安心しており、さらに、価格引上げが、ゴールデンウィーク中で、ニュース性が乏しく、大きな話題にならない。そして、5月のゴールデンウィーク中や明けに給油した時に、愕然とする。
かくして、国民は、5月に3月時のガソリン価格よりも高いガソリンを買うことになり、さらに厳しい物価上昇の嵐にさらされるのである。

しかし、4月=新年度早々から、大きな混乱が始まりますね。
民主党の小沢代表は、「5月に総選挙だ」とほえていますが。

結局、両者全てを失う

町村信孝官房長官は、3月29日午前の講演で、暫定税率の期限切れで、4月1日から、ガソリン価格は下がるだろうが、「一刻も早く参院で否決でも可決でもしてもらい」、その上で恐縮だが、「また、4月29日に、衆院で再可決させて頂き、値下げした分の25円を上げさせてほしい(=戻してほしい)」と自民党の方針と国民への理解を述べた。
恐らく、開始時期はまちまちだが、4月中に、一時的にガソリン価格は下がるだろう。
しかし、石油元売各社は、既に、4月の出荷分の値上げを決めており、実際には、25円下がることはないだろう。
と言うことは、4月にわずか2〜4週間だけ、20円程度下がったガソリンが、5月には25円値上げして戻ってくるということだ。
自民党は、5月の再値上げ時には、世論の反発をくらうだろう〜しかし、「予算に穴をあけられない」、「赤字国債は発行できない」、「地方の財政、経済の混乱を放っておくことはできない」と、大義名分を並べ、押し通すだろう。さらに、政局混乱の責任を福田首相に取らせ、福田首相の掲げた道路特定財源の一般財源化、道路政策の見直しなどと一緒に葬りさる可能性が高い。これにより、せっかく、福田カラーが出はじめ、おもしろくなりはじめた自民党の株は大暴落である。
民主党は、せっかく、福田首相から大きな譲渡を引き出したのに、たった数週間のガソリンの値下げと、5月以降、逆に、ガソリン価格の高騰(=3月よりも高い)と言う悲劇を引き起こし、完全に国民からの支持を失うことになる。
国民は、数週間のガソリンの値下げと言う餌の代わりに、5月以降、さらなる値上げを強いられ、さらに、期待していた特定財源の透明化(一般財源化)への道も遠のいてしまう。
ガソリンスタンド(GS)に到っては、両者の混乱に踊らされ、利益さえも失ってしまう。
後、2日ある〜奇跡は、起きないのであろうか?

福田首相〜ほえる

4月1日まで、こんな感じでどうでしょうか?

3月27日(木)
福田首相、平成21年度から、道路特定財源を一般財源化し、透明性を図ることを主張。
伊吹幹事長、福田首相の発言は、党内意見ではなく(〜道路族がそんなことを許すわけないだろう)、修正法案の意味合いを、福田首相なりの解釈で説明したものだと、自民党内はそんな考えに賛成していないことを臭わす。
公明党は、福田首相の決断を尊重しなければならないと、福田首相の考えを支持する構えを示す。
小泉元首相も、福田首相の決断を尊重すべきだとエールを送る。
しかし、野党民主党は、一定の理解を示すが、暫定税率の廃止が示されていないため国会での審議には応じず。

3月28日(金)
福田首相、午後の声明で、さらに譲歩案を示し、平成21年度からの暫定税率(ガソリン/軽油)の廃止(自動車取得税は暫定税率を維持)を主張、また、その代替予算の確保とし、国土交通省の社団・財団法人、民営化団体の統廃合を早急に進めるプロジェクトチームの発足と協力を民主党に打診する。また、平成21年度以降、ガソリンに対しては、1リッターあたり10円のクリーン税を一般財源として導入し、道路周辺への植樹を含む環境整備に使用することを提案。これにより、平成21年度以降、軽油は1リッターあたり17.1円、ガソリンは1リッターあたり15.1円安くなると説明。
自民党内部からは、批判の声が出るが、若手議員の多数の賛同を得る。
さすがに、これで、民主党も協議に応じないわけにはいかなくなった。民主党は、福田首相の発言を受け、緊急召集をかける。
そして、夜、急遽、福田-小沢党首会談が開かれる運びに。

3月29日(土)/3月30日(日)
土・日曜日にも関わらず、異例の国会が開かれ、平成20年度の予算が参議院で審議される。
自民党は、福田首相の発言を平成21年度の早い段階で、明文化することを約束、ガソリン・軽油の暫定税率を1年のみ延長する特別暫定法案を作成、クリーン税に関して平成21年度中に検討・法案化することを決定する。NHKの国会中継が高視聴率をとる。

3月31日(月)
国会にて、平成20年度の予算が成立。
4月1日からのガソリン、軽油価格の引下げは見送られ、地方財政は、予算通りにスタートできることになった。一部地域で、ガソリン価格の引下げが前倒しで行われたが、政府は政府保証はしないと明言。運送業界や個人ドライバーからは、大きなブーイングが上がったが、ガソリンスタンドでは、大きな混乱や暴動も発生しなかった。
ただし、ガソリン価格の引下げは、平成21年4月1日に実施されることが決定したため、運送業界、ドライバーには朗報である。
また、軽油の暫定税率が廃止されるため、自動車メーカーは、今後、ディーゼル車の販売に力を入れることになる。
ヨーロッパでは、既に、ディーゼル車が環境車としてポジションを確保しており、円高の後押しを得て、輸入車の販売台数が増加する可能性もある。
平成20年度の予算の成立により、地方の道路関連会社も一息つけたが、平成21年度以降、道路予算の削減は避けられず、道路政策からの転換が早急に必要である。政府、地方自治体は、道路政策から環境政策に視点を変えた公共事業の在り方を考える必要がある。

民主党は、暫定税率廃止によるガソリン価格の値下げを、実施期限は先送りされたが勝ち取り、、国民との約束は果たせた。

自民党は、福田首相の強いリーダーシップの下、平成20年度予算を計画通りの財源を確保し、期限内に実施することができた。
福田首相のリーダーシップが果たされたことにより、内閣支持率は急上昇、環境サミット、総選挙に向けて、足場作りができた。

---------------------------
でも、福田首相は良いこと言っています。
完全に自民党の意見ではないですね。
以下は記事、引用。
->道路特定財源:09年度からの一般財源化を表明-福田首相

道路特定財源:福田首相会見
[内容]
 年度末、3月末までに5日ばかり残す時期になりました。こういう時期に参議院で予算および関連税制法案の審議をしておりますけれど、この年度内に税制法案が成立しなければ地方財政や国民生活に大きな支障および混乱を生じかねません。
 1週間前に税制法案の見直しについて与党に対し指示をしてきました。その後、野党に対し協力を呼びかけてきましたが、進展を見ておりません。混乱を回避して国民生活を守るという総理大臣の責任を全うするためには何としても野党のみなさんとの話し合いの機会を作らなければならないと思ってきました。
 本来であれば与野党間の政策協議の場で提示すべき内容でありますが、時間も切迫して参りましたので、こうした形で発表することとなりました。
 この提案に当たりまして、見直すべきところは見直すと決意いたしました。改革案について野党のみなさん、そして国民のみなさんに説明をさせていただきたいと考えております。
 ■道路予算
 第一に道路予算については、娯楽用品を買ったり公益法人の職員旅行に使われるなど不適切な使われ方が次々に明るみに出ました。こういう使われ方をされたら「税金なんて払いたくない」と国民のみなさんが感じられることはまったくその通り。このように国民の信頼を失墜させたことに怒りを感じます。行政の長として抜本的な改革をすることとしました。
 (1)道路予算に大きく依存している公益法人について、廃止・民営化を進め、契約のあり方について競争政策を取り入れて見直しします。あわせて不透明な天下りは排除します。また娯楽用品を買うなどといった不適切な支出を根絶し、無駄を排除します。
 (2)道路以外にも政府はやるべきことはたくさんあるのに、なぜ道路にしか使えないのかという疑問もたくさんいただきました。ガソリン税などの収入を道路整備にしか使えないとしている道路特定財源制度については今年の税制抜本改革時に廃止し、(平成)21年度から一般財源制度として活用します。その際、地方財政に悪影響を及ぼさないような措置を講じます。そしてCO2を排出しない新エネルギー開発など、地球温暖化対策、救急医療体制の整備、少子化対策などさまざまな政策にも使えるようにします。
 (3)一般財源化に伴い、暫定税率を含めたガソリンなどへの税率のあり方なども今後検討します。その際、ガソリンなどに課税することでCO2の排出を抑制して地球温暖化対策に取り組んでいる国際的な動向や地方における道路整備の必要性、国・地方の厳しい道路整備の現状を踏まえて検討します。
 (4)10年間で59兆円が必要だとしている道路整備計画についてもこれまでの国会審議などを通じて見直しの余地があると痛感しました。まず10年は長すぎるという指摘もありました。今後最新のデータを用いながら、5年間に短縮した上で新たな計画を策定することといたします。そのうえで、厳格かつ客観的な評価と十分な吟味を行い、本当に必要だと判断される道路だけを着実に整備します。
 以上の4点について、改革を着実に実行することを国民のみなさんにお約束いたします。

 またこうした改革につきまして、4月からの(平成)20年度予算においても可能な限り還元いたします。
 まず、道路予算の執行にあたって、これから策定する新しい道路整備計画において見直すべきところがあれば、厳格に反映させていきます。
 また20年度予算についても一般財源としての使い道については野党のみなさんから現実的な提案があれば、協議に応じる考えです。さらに、これらの道路財源改革を進めるにあたって与野党政策協議会の設置を提案したいと思います。この協議会においては、
 (1)一般財源化したガソリン税などをどのような政策に使うべきか。その場合、税率はどれくらいが適当か。
 (2)新しい道路整備計画の中身、これらについて野党の皆さんと協議し、決定して参りたいと考えます。
 残された時間はあとわずかですが、私はまだあきらめていません。与野党で話し合えば事態は打開できると私は信じております。政治のツケを国民に回してはならないという一心で、野党、特に民主党にはぜひ話し合いに応じていただきたい。

 もう時間がないと逃げ出すことは簡単ですが、私は最後まで決してあきらめません。政治を動かすのは国民のみなさんです。私も最後まで懸命に努力していく覚悟でありますので、国民のみなさんのご理解と力強いご支援を心よりお願いいたします。

ドルは安全か?

大前 研一氏の日経BPネットのコラム「衰退する米国経済にマネーを呼び戻す方法」を読むと、非常に興味深いドルの動きが読める。

99年1月1日の対米ドルレート=100とした場合の、ユーロ・円に対するドル相場を見ると、円に対しては、13年ぶりの円高・ドル安といっても、ここ10年間、1ドル110円ぐらいのラインの上を行ったり来たりする小さな波はあるが安定している。大前 研一氏の評価は、「現在は、割と安定した後、若干高い方に向かっているところで、長い目で見れば90年代の半ばをピークとして円は弱い方に向かっている」とのこと。これは、日本経済の方が米国経済よりもデモグラフィー(人口統計学)などから見て長期衰退の可能性が高い(円が弱くなる)からであるとのこと。

しかし、対ユーロは、2002年あたりから、一貫して高くなる一方である。ユーロは、現在、ドルにつぐ流通量であり、EU圏はどんどん拡大の方向に進み、経済的基盤を拡大している。つまり、ドルにとっては対円なんかよりも、対ユーロの方が、基軸通貨の地位が脅かされるという意味で、大きな脅威なのである。

それにも関わらず、今回サブプライム問題で、米国は経済減速を招き、ドルの信用度を大きく下げてしまった。
実際に、ファンド系のドル資本が、米国から逃げ出すことによって、今回の円高/ドル安が発生したわけだが、大きな混乱までには到っていない。
これは、ドルから逃げ出したいが、各国ともに基軸通貨のドルを貯め込んでいるために、ドル安=国富が大きく失われること、および、安全保障との兼ね合いで、世界最強の米国の軍事力の必要性がまだ高い(強いドルを保持しなければならない)ことにより、政治的なかけひきで、ドルがかろうじて維持されているからである。世界最大の消費国である米国の経済が、早急に回復しなければ、このドルを支えているバランスは崩れ、さらなるドル離れが起こる可能性がある。

さらに、大前 研一氏の最新のコラム「ロシアも飲み込むEUの未来」で、大前氏は、「10年後の世界最大の経済圏はEU」と想定しており、ロシアの資源、ロシアを含む東欧の軍事力をベースに、将来、EU=ユーロが基軸通貨になる可能性も示唆しており、このような流れにおいて、ドルが弱くなることを抑えることはできないだろう。

このような未来が見える中、日本の輸出産業も、いつまでも、ドルを信用することはできないであろう。
EU圏の東への拡大に日本も飲み込まれるか、日米同盟で親睦を続けるのか、日本丸の船長は、どのような未来を見ているのだろうか?

とりあえず終息しましょう

4月1日より、新しい予算でスタートしなければなりません。
確かに、民主党の言う、「暫定税率の廃止」、「道路特定財源の一般財源化」も良く理解できます。
しかし、あまりにも議論が遅すぎたのです。政府、地方の自治体が、2008年度の予算を組んでから、それは認めないと言っても、代替の予算がない限り、財政運営に混乱をもたらすだけでしかありません。

今回は、「2008年度予算を通す」が、
「(1)暫定税率を1年以内に廃止することを前提とし、代替予算の確保として、年間3500億円を支給している、国土交通省の社団・財団法人、民営化団体の統廃合を早急に進める。」、
「(2)道路特定財源の一般財源化を、道路長期開発計画の見直しを含め、今年度中に結論を出す。」
の2つを、与党から確約できれば勝ちではないでしょうか?

民主党が、言わんとしたことは、十分に国民(有権者)に通じています。
ガソリンの値段も下がって欲しいですが、その実現には、もう少し待っても構いません。
それよりも、
道路特定財源を無駄遣いしている国交省の天下り社団・財団法人、民営化団体をぶち壊して、税金を健全な状態にすること。
これから少子化、高齢者化社会に向かう日本の未来において、本当に必要な道路(交通網)の建設計画と、道路維持のためにかかる予算の算出。
道路特定財源を含めた特定財源の一般財源化と支出の透明化。
を、まずは、図りましょう。

3月24日ロイター配信によると、
日本経団連の御手洗会長も、24日の定例会見で、
揮発油(ガソリン)税の暫定税率の期限切れが現実味を帯びていることについて「(期限切れは)地方財政に多大な影響、混乱をきたす」と述べた上で、暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案について「(徹底議論の上、年度内に結論を得るとした)1月の衆参両院議長のあっせんにのっとり、何としても通してもらいたい」と、年度内成立を求めたこと。
また、揮発油税などの道路特定財源の一般財源化について、「長期的な立場で一般財源にするかしないかは大いに議論すべきと思う」としながらも、「今、2008年度のことについていろいろ言っても時間切れではないか」と言っているのは、非常に大人の意見です。
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Author:未来君輝
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